エチレングリコールは猫に天敵!中毒物質を舐めた時の対処法は?

エチレングリコールは猫に天敵!中毒物質を舐めた時の対処法は?

エチレングリコールは車の不凍液として使われる物質ですが、身近な物では保冷剤やプリンタのインクに含まれます。これを猫が舐めてしまうと中毒症状を起こし死に至ることもあります。エチレングリコール中毒の症状や対処法を知っておき、愛猫が中毒にならない様に注意しましょう。


猫が舐めると危険なエチレングリコールとは?

猫が舐めると重篤な中毒症状を起こす物質の一つにエチレングリコールがあります。

この物質名を聞いたことがあるという人は多くは無いでしょう。しかし、このエチレングリコールは、実は日常生活の中で使う身近な物にも含まれており、愛猫の誤飲に注意が必要です。

エチレングリコールの危険性は中毒症状の強さの他にも症状が出るまでの速さが挙げられます。誤飲の量にもよりますが、早ければ数時間以内には死に至ることもある危険な物質なので、日頃から含まれる物をきちんと認識し、誤飲しないように注意が必要です。

エチレングリコールが含まれる身近な物

エチレングリコールは車の不凍液として使われますが、身近にある物としては、不凍液の他にも保冷剤やプリンタのインクが挙げられます。

プリンタのインクはそもそもあまりインクが外に出ないことと、濃度がかなり低濃度とされるので危険度は高くありませんが、問題は保冷剤です。

保冷剤は夏場、猫やペットに涼をとらせてあげようとタオルなどにくるんで与える飼い主も少なくはありません。しかし、保冷剤の袋はペットがじゃれて噛みつけば容易に穴が空き、中身が出てしまいます。保冷剤をペットに与えるのは止めた方が良いと言えるでしょう。

エチレングリコールの吸収経路

もしも猫がエチレングリコールを摂取してしまった場合、腸管粘膜から急速に体内に吸収され、血液と混じって体内に分散してしまいます。

その分散過程で中毒症状や、代謝経路で作られる酸によって血液が酸性に傾く現象のアシドーシスが起こり、死に至るのです。

もしも摂取の際に胃に食べ物が残っていた際は腸管粘膜からの吸収は遅くなるとはされますが、エチレングリコールを摂取してしまった時点で一刻も早い処置が必要となります。

エチレングリコール中毒の初期症状

エチレングリコール中毒の初期の具体的な症状としては嘔吐が挙げられますが、これは腸管粘膜が刺激されるために起きる症状です。

その後は神経系への異常が起こるため、失調症や見当識障害や酩酊など、ふらふらしたり物にぶつかったりとや異常行動が見られます。また、昏睡に陥ったり水を多く飲む、多尿といった症状が見られることもあります。

もしも猫が大量摂取してしまっていた場合、この時点で死に至ることも少なくありません。

エチレングリコール中毒の急性期症状

エチレングリコールを摂取してからある程度時間が経つとその症状はステージ2、3と移っていきます。

ステージ2は摂取後12~24時間とされ、心拍数や呼吸数の上昇が見られます。

されに摂取後36~72時間のステージ3に進むと重度の急性腎不全が引き起こされてしまいます。急性腎不全が起こってしまうと、嘔吐、食欲低下、発作やうっ血、よだれ、うつ状態が見られ、治療が困難になります。また、死亡するケースも残念ながら増えます。

猫がエチレングリコールを舐めた時の対処法

猫がもしもエチレングリコールを舐めてしまった場合、いかに早く獣医師の診察と処置を受けさせるかが、その後の明暗を大きく分けることとなります。

猫がエチレングリコールを舐めてしまった疑いがあるのであれば、即獣医師の元へ向かいましょう。どうしようと迷っている間にも、愛猫の生命の危険は刻一刻と迫っているのです。

ちょっと様子がおかしいくらいだからとりあえず様子を見ようというのも絶対に止めましょう。前述の通り摂取後の吸収はとても早く、あっという間に手遅れになってしまいます。

エチレングリコールを舐めてすぐの場合の対処法

エチレングリコールを舐めたと分かったのが、舐めた直後であった場合、猫が吐いたり飼い主が指で口の中をぬぐったりすれば危機を回避できたと思う人もいます。しかし、それは大きな間違いです。

例え保冷剤などを舐めた猫がちょっと元気が無かったりふらついてるくらいで一見大丈夫そうに見えても身体の中はどんどん中毒症状によって蝕まれています。

エチレングリコールを舐めたと分かった場合、もしくは疑わしい場合でもとにかく獣医師の診察を受けさせましょう。

エチレングリコールを舐めたらすぐに病院へ

エチレングリコールを舐めた場合、もしくは舐めたと思われる場合に動物病院へ連れて行きましょう。そして、その際には猫が舐めたとされる元のエチレングリコール入りの物も持って行き、獣医師に見せて診察してもらいましょう。

エチレングリコール中毒の症状は、症状だけを見ると他の中毒症状と似ている部分もあり、違いを即座に見分けることは困難です。

誤診によって正しい処置が遅れれば遅れる程、愛猫の命の危険は高まりますので、愛猫が中毒症状を起こしていればパニックになりがちですが、落ち着いて原因の説明をしましょう。

エチレングリコール中毒の治療法

エチレングリコール中毒の治療法としては、飲み込んでからの時間によって変わります。

初期であれば、飲み込んだものを吐き出させたり胃洗浄によってそれ以上エチレングリコールが体内に吸収されないよう、症状の進行を止める処置が施されます。また活性炭と硫酸ナトリウムの投与によっても症状を抑えます。

もしもエチレングリコールが体内に吸収された後という診断結果となると、輸液によって尿の量を増やして脱水を防ぐと同時に体内に吸収されてしまった分を尿と共に排出させる処置がとられます。

エチレングリコールにはウォッカが有効な場合もある

エチレングリコール中毒の対処法の一つに、お酒のウォッカの投与が挙げられる場合もあります。

エチレングリコール中毒の解毒剤のひとつにエタノールが挙げられますが、このエタノールはエチレングリコールが分解される前に酵素と結合して有毒な代謝産物が蓄積するのを防ぐ効果があります。

そして、エタノールが無かった場合、アルコール度数が極めて高いお酒であるウォッカが代用品として使われることがあるのです。

しかし、この治療法はエチレングリコールを摂取してから3時間以内の静脈注射で有効とされるので、一般人が真似をすることは避けた方が良いでしょう。

エチレングリコール中毒の予防法

エチレングリコール中毒は急速に症状が進み、摂取から数時間で死に至ることも少なくないというとても恐ろしい中毒です。

愛猫の様子がおかしいと気が付いた時には時すでに遅く、動物病院で必死の治療を施してもらっても残念な結果になってしまう事は残念ながら多いというのが現状です。

そしてもうひとつ恐ろしいのは、このエチレングリコールを含んだ物質は実は身近な物にも含まれているということです。それはつまり、愛猫がエチレングリコール中毒に陥る可能性が決して低い数字ではないことも示しています。

エチレングリコール中毒を予防するには、危険性のある物質を愛猫に近付けないことが大切です。

エチレングリコールが含むものを安易に置かない

エチレングリコール中毒を引き起こす危険のある保冷剤やプリンタのインクなどは私たちの身近にあふれています。猫は意外と力が強く、一見分厚い保冷剤入りのビニールなども簡単に噛み千切ったり、その鋭い爪で引き裂いてしまいます。

さらに猫はご存知の通り、高いところへ登ることが得意な動物です。ここなら手が届かないだろうとたかをくくっていた場所にも信じられないような身体能力で到達してしまうこともしばしばです。

そのため、猫にとって危険となりうるものを安易にその辺りに置いておかないことがなによりの予防法と言えるでしょう。

猫の安全な暑さ対策

近年猛暑続きでペットの熱中症も毎年のようにニュースを騒がすようになりました。愛猫が熱中症になっては大変と、保冷剤をタオルにくるんだりそのまま猫に与えたりする飼い主も多いでしょう。しかし、その保冷剤が愛猫の命を奪う危険を孕んでいることもあるのです。

エアコンを付けたり、ペットショップで売られている猫専用のアルミの保冷シートやグッズを使ったりと、猫の暑さ対策も安全な方法をとるように心がけましょう。簡単なもので言えば、ペットボトルに6分目程の水を入れて凍らせた物も有効です。

エチレングリコール中毒は初期の迅速な対応が命運を分ける

エチレングリコール中毒は発見したり疑われる場合には、即動物病院へ連れていくことが何より重要です。少しでも迷ったり様子を見ようとして、手遅れとなってしまって愛猫を助けることができなければ悔やんでも悔やみきれない結果となってしまいます。

そんな悲劇を防ぐ為にも、例え夜中であっても動物の救急外来を受け付けてくれる病院もありますので、普段からいざという時に備えてかかりつけの病院以外にも緊急用にかかることのできる動物病院を把握しておくようにしましょう。

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