猫の分離不安症とは?

分離不安症という病気の名前を、聞いたことはありますか?分離不安症は犬に多く見られる病気ですが、猫にも見られます。
分離不安症は、飼い主への依存性が強いからこそ、発症しやすい病気です。飼い主が留守の間にいたずらをしたり、必要以上に鳴くという問題行動が見られます。飼い主にうろうろとついてくるなどの行動も、分離不安症の1つでもあります。
普段飼い主が当たり前だと思っている猫の行動が、分離不安症の症状の1つであることもあります。
■猫が分離不安症になる原因
猫の分離不安症の原因は、子猫時代の環境にあります。
幼い頃に親猫や兄弟猫から離れて、人間の元で育っていくと人間の元を離れることが不安につながることがあります。飼い主と暮らしていくうちに、猫は留守番の時間が嫌に感じ、問題行動を起こすようになります。
社会性を身に付けるためにも、幼い頃に親猫や兄弟猫と過ごす時間は大切です。幼い頃に飼い主の元で暮らす場合は、分離不安症の症状のチェックをすることも頭に入れておきましょう。
猫が分離不安症かチェックする方法

猫の分離不安症チェックには、猫をよく観察してすることが大切です。
【分離不安症をチェックする方法】
・普段と異なる行動をとるか観察する
・体調管理を行う
・留守番時に監視カメラを設置する
分離不安症の症状は、急に現れることもあります。急に現れる場合は、普段とは異なる行動にいち早く気付くことができます。普段はおとなしい性格の猫でも、分離不安症になれば凶暴になることもあります。
猫の分離不安症の症状の中には、体調が悪くなるといったこともあります。体重が減っていたり、元気がなくなることもあるので、普段からの体調管理が大切です。
分離不安症である猫の多くが、猫が留守番しているときに問題行動を起こします。直接目で確かめることができないので、こっそり監視カメラで確認してみるチェック方法もあります。
■飼い主とのコミュニケーションが大切

分離不安症であるかをチェックするときに、飼い主とのコミュニケーションが大切です。普段からコミュニケーションをとっていれば、猫の様子の変化にも早く気付くことができます。
分離不安症の猫とコミュニケーションをとるときは、まず優しい気持ちで接してあげることがポイントです。猫の不安な気持ちを取り除くために、猫の気持ちに寄り添うようにコミュニケーションをとりましょう。
分離不安症の猫の6つの症状

猫の分離不安症には、さまざまな症状が見られます。
【猫の分離不安症で見られる6つの症状】
・大きな声で鳴く
・家中にある物を破壊する
・スプレー行為をする
・人に攻撃的になる
・食欲や元気がなくなる
・嘔吐、下痢などをする
猫の分離不安症で見られる多くの症状が、飼い主や飼い主の家族、近所の人に迷惑をかける行動です。そのような行動を、問題行動といいます。
1番気づきやすい問題行動は、大きな声で鳴くことです。普段はおとなしい子なのに、急に無意味に大きな声で鳴き始めることもあります。分離不安症の猫が大きな声で鳴く時間帯は、特に決まっていません。
猫の分離不安症の症状は、問題行動の他に体調不良として現れることもあります。極端に食欲が減ったり、便や尿に異変がある場合は、分離不安症の可能性も考えられます。しかし別の病気の兆候の場合もあります。早期発見が鍵となります。
■猫が分離不安症だと分かったら

猫の分離不安症が分かったとしても、優しく見守ってあげることが大切です。
猫の分離不安症で見られる症状は、飼い主にとっても頭を抱えるような問題行動ばかりです。しかしすぐ叱らずに、まず猫の行動を理解しようとすることが必要です。スプレー行為で床や壁が汚れてしまっても、静かに後始末をするようにしましょう。
猫にとって、飼い主は唯一の見方です。飼い主の気を引くための行動だと理解し、これからもどんどんコミュニケーションで絆を深めることが大切です。
猫の分離不安症の5つの改善策

猫の分離不安症は、飼い主次第で改善することができます。
分離不安症の改善策は、大きく分けて5つあります。どれもすぐに取り掛かることができる対策なので、困っている方はすぐに試してみましょう。すぐに改善されることもあれば、時間がかかることもあります。気長に頑張りましょう。
■テリトリーを作ってあげよう
1つめの分離不安症の改善策は、テリトリーを作ってあげることです。
猫はもともと自分のテリトリーを作って、居場所を持ちながら生活していく動物です。そのため群れで生活することが苦手な猫にとって、安心することができるテリトリーの有無が大切です。
特に家で猫を多頭飼いしている方は、猫それぞれにテリトリーを与えることが必要です。テリトリーの奪い合いで喧嘩に繋がることもあります。分離不安症を改善するだけではなく、猫同士の関係を崩さないためにも大切なことです。
■決まった時間に遊んであげる

2つめの分離不安症の改善策は、できるだけ毎日決まった時間に遊んであげることです。
猫と飼い主とのコミュニケーションは大切です。一緒に生活したり、話しかけるだけでも十分コミュニケーションになります。コミニケションの中でも飼い主と遊ぶ時間は、猫にとって1日で1番楽しい時間だと言っても、過言ではありません。
猫と遊ぶ時間の目安は、10分〜20分です。休憩を取りながら遊んであげ、猫の息があがったらその日の遊びは終了しましょう。
■留守番時に刺激を与えない

3つめの分離不安症の改善策は、留守番させるときに猫に刺激を与えないことです。
飼い主が外出するときは、できるだけ猫に気づかれないようにしましょう。飼い主が外出することを知ってしまうと、猫は機嫌を悪くし問題行動を起こすことにつながります。最初はドアの開け閉めの音にも、気をつけるようにしましょう。
分離不安症の症状が緩和されたら、行ってきますと言ってから外出することもいいでしょう。
■スプレー行為などをしても叱らない

4つめの分離不安症の改善策は、スプレー行為などの問題行動を起こしても叱らないことです。
スプレー行為や家中の物を破壊している様子を見てしまうと、思わず叱ってしまうことでしょう。しかし猫自身は悪いことをしているという感覚ではないため、叱られても悪化する可能性があります。優しい心を持って、関わってあげることが大切です。
■留守番の時間を少しずつ増やす

5つめの分離不安症の改善策は、留守番の時間を少しずつ増やしていくことです。
猫の分離不安症で見られる問題行動の多くが、飼い主が留守にしている間に見られます。猫が留守番に慣れていないことも原因の1つなので、留守番の時間は猫の様子を見ながら、少しずつ増やしていきましょう。
留守番の時間が短時間であっても、いい子に留守番していたら褒めてあげましょう。次の留守番につながります。
猫の分離不安症は予防・改善することができる

猫の分離不安症は、改善することも予防することもできます。分離不安症を改善・予防することができれば、猫にとっても飼い主にとっても嬉しいことです。
まずは自分が飼っている猫が、分離不安症でないかをチェックしましょう。そして猫と楽しい毎日を送りましょう。