1歳児の食事の量や時間などのポイントとは?
■1歳児の食事量の目安
1歳児の主食、主菜、副菜・デザートのそれぞれの1食あたりの食事量の目安は以下のようになります。主食と主菜はいずれか1品を選びましょう。2品組み合わせる場合には、それぞれ1/2の量とするのがおすすめです。
1歳児の1食あたりの主食(炭水化物)の量
・食パン:半分
・ロールパン:1個
・軟飯:90g
・ご飯:80g
・オートミール:大さじ4
・ゆでうどん:1/2玉弱
・マカロニ:子供茶わん4分目
・じゃがいも:小1個
・さつまいも:中1/3本
1歳児の1食あたりの主菜(タンパク質)の量
・肉:15〜20g
・魚:15〜20g
・豆腐:1/4丁
・納豆:大さじ1と1/2
・卵:1/2〜1/3個
・チーズ:15g
・ヨーグルト:大さじ6
1歳児の1食あたりの副菜・デザート(ビタミン・ミネラル・食物繊維)の量
・野菜や果物(多種類組み合わせる):40〜50g
■1歳児の食事回数・食事時間の目安
1歳児の食事回数は、1日3回とします。離乳食を開始したばかりの赤ちゃんは1回、2回としますが、12ヶ月頃では離乳が進んでいるために大人と同じ1日3回の食事回数で問題ありません。
食事時間としては、朝ご飯は7〜8時、昼ご飯は12時前後、夜ご飯は19時までに食べさせるのが理想です。ただ、お腹が空いていないと食べてくれないことも考えられます。そんなときは無理に食べさせようとしなくても大丈夫です。
空腹を感じた時に食べるのが一番美味しいと感じることができ、食事の楽しさを知ることができるため、食事時間についてはおおらかに考えておきましょう。
■1歳児が食べることができる食品
生まれて12ヶ月を過ぎる頃になると、1歳未満の赤ちゃんでは食べることができなかった多くの食べ物や調味料に挑戦できるようになります。炭水化物食品、タンパク質食品、野菜・海藻、調味料という4つの分類に分けて、食べることができる食品を以下に示しました。
1歳から食べることができる食べ物・調味料
①炭水化物食品
中華麺
②タンパク質食品
大豆、油揚げ、湯葉、おから、めかじき、ぶり、さわら、いわし、桜えび、チーズ、合い挽き肉、豚ヒレ肉、鶏もも肉
③野菜・海藻
枝豆、レンコン、ごぼう、きのこ類(エリンギ以外)、ひじき
④調味料
マヨネーズ、ケチャップ、サラダ油、マーガリン、ごま油、オリーブオイル、ココアパウダー
1歳児の食事の作り方&食べさせ方の7つのコツ
■コツ①シンプルな薄味にする
1歳頃の赤ちゃんの食事は、シンプルな薄味にすることが大切です。濃い味付けは1歳頃の赤ちゃんの小さな体にとって強い刺激となります。また、離乳食の時期に形成された味覚はその後の味覚に与える影響が大きく、離乳食で濃い味に慣れてしまうと薄味の食事ではもの足りなくなってしまいます。
そのため、1歳頃の赤ちゃんの食事を作る際には調味料の使用を少なめにし、できる限り素材そのものの味を生かすようにしましょう。味見をして、ちょっと薄すぎるかなと思うくらいの味付けで十分です。
■コツ②大人の食事から取り分けるのもおすすめ
1歳頃の赤ちゃんの食事を作る際には、大人の食事から取り分けてもよいでしょう。味付けをする前の段階で赤ちゃんの分だけ別にして、その後に大人の嗜好に合わせて調味料を加えれば問題ありません。
ただ繊維質の多い野菜などの食べ物は、大人用のものよりも長めにゆでて軟らかくする必要があるため、湯切りザルやお茶パックに赤ちゃん用の分だけ入れて、早めにゆで始めましょう。また、外食時や市販食品を使った食事の際には、通常よりも量を少なめにすることや汁物に水を足して塩分を薄めて食べさせてあげることが大切です。
このような工夫をすることで、赤ちゃんはママやパパと同じような内容の食事をとることができます。また全く別の食べ物を使って調理するよりは、手間が省けて調理の時短になり、ママも楽をできます。
■コツ③切り方に変化をつける
1歳頃の赤ちゃんの食事作りでは、食材の切り方に変化をつけることも大切です。乱切りや千切り、みじん切りなど、多様な切り方をした食材を使うことでさまざまな食感を味わうことができ、飽きずに楽しく食事をとることができます。
また、1歳頃の赤ちゃんは可愛い形をしている食べ物やきれいな見た目をしている食べ物に食べる気を起こしやすいため、飾り切りにした食材やハート型・星形でくりぬいた食材を使うこともおすすめです。
■コツ④すべてひと口サイズにする必要はない
食べ物をカットする際には、みじん切りのような細かい切り方をすることやひと口で食べることができる大きさにするといったことの必要はありません。すべての食材があらかじめ食べやすい大きさになっていると、自分の口の大きさに見合ったご飯の量はどれくらいなのかを学ぶことができなくなってしまいます。
1歳頃の赤ちゃんは、まだ自分の口に合った食事の量が分からないために大きいサイズのまま口に入れてしまうこともしばしばあります。しかし、歯が生え始めてあごも発達してきているため、ある程度軟らかく歯や歯茎ですり潰すことができる固さのものなら大きめサイズでも問題ないです。繊維質が少なく軟らかめに調理したものは大きめサイズで与えてみましょう。
■コツ⑤手づかみで食べにくいものも与える
1歳頃の赤ちゃんは、自分で食べたいという自我を持ち始めると手づかみで食べることができるようになります。手づかみで食べるようになったら、持ちやすいようにスティック状の食べ物やボール形にしたご飯など、食べやすい形状にして食べさせてあげることも大切ですが、手づかみでは食べることが難しい食べ物も与えるようにしましょう。
液状のシチューやパラパラのチャーハンなど、さまざまな形状の食べ物を取り入れることで1歳頃の赤ちゃんは、手では食べにくいということを学び、スプーンやフォークに関心を持つようになります。使用する様子がなくても、食卓にスプーンやフォークを並べておくとよいでしょう。
■コツ⑥食事に集中できる環境をつくる
子供がなかなか食事に関心を持ってくれずに困っているママは、子供が食事をする環境を見直してみましょう。子供の気を引くものが周囲にあると食事に集中できなくなり、進んで食べる様子が見られないことやご飯で遊び始めてしまうことが考えられます。
食事に集中できる環境づくりができていないことに心当たりのあるママは、テレビをつけっぱなしにしない、おもちゃを近くにおかない、といった工夫をしてみましょう。食事をする時間にはきちんとご飯を食べるように育児をすることが大切です。
■コツ⑦おやつも活用する
1歳頃の赤ちゃんには、3食の食事に加えておやつを与えてもOKです。おやつの内容は、お菓子のような甘いものは極力控えて、食事で十分に摂ることができなかった栄養を補うことを第一に考えた、食事の延長のような内容にしましょう。
エネルギー源が不足しているようならご飯や芋類を、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足しているようなら野菜を、カルシウムやタンパク質が不足しているようなら乳製品や小魚を積極的に活用した、1歳児向けのおやつを作るのがおすすめです。
1歳児の食事におすすめのレシピ6選
■おすすめごはんレシピ①とろとろロールキャベツ
材料 (1歳児の2食分)
・キャベツ 大きめ2枚
・玉ねぎ 1/4個
・にんじん 輪切り1個
・合い挽き肉 30g
・水 400cc
・塩 ひとつまみ
・片栗粉 小さじ1
・パスタ麺 1本
作り方
1. キャベツを洗い、芯の部分を除いて半分に切る。玉ねぎはみじん切りに、にんじんは細かい角切りにする。
2. 水を鍋に入れ、キャベツとにんじんが軟らかくなるまで加熱する(ゆで汁は残しておく)。
3. にんじんと玉ねぎ、合い挽き肉、片栗粉をボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。
4. 混ざったら4等分してキャベツで包み、パスタ麺を刺して固定する。
5. 残しておいたゆで汁に投入し、キャベツが軟らかくなるまで弱火で煮る。
6. 20分程度経ったら、塩を加えて再び加熱する。
7. とろとろになってきたら、お皿に盛って完成。
レシピのポイント
1歳から挑戦できる合い挽き肉を使ったロールキャベツはインパクトのある見た目となっているため、1歳の赤ちゃんの食べる気を起こしやすいです。また、合い挽き肉のうま味によって薄い味付けでも美味しく食べることができる味となっているため、1歳の赤ちゃんの食事に最適なレシピです。
ママとパパも同じご飯を食べることができるように多めに作り、赤ちゃんの分を取り分けて後でケチャップやコンソメ、塩こしょうなどを加えて味を整えて食べるのがよいでしょう。
■おすすめごはんレシピ②肉じゃが
材料 (1歳児の6食分)
・玉ねぎ 1/4個
・にんじん 1/4本
・じゃがいも 1/2個
・合い挽き肉 50g
・油 少量
・水 300ml
・砂糖 小さじ1
・醤油 小さじ1/2
・片栗粉 小さじ1
作り方
1. 玉ねぎは薄切りに、にんじんはみじん切りに、
じゃがいもはひと口サイズの角切りにする。
2. 熱したフライパンに薄く油をしき、合い挽き肉を色が変わるまで炒める。
3. 玉ねぎ・にんじん・じゃがいもを加えて5分ほど炒める。
4. さらに水200mlと砂糖、醤油を加えて15分ほど中火で加熱する。
5. 水気がなくなってきたら、残りの水100mlを加えて加熱し続ける。
6. 火を弱火にし、片栗粉を水で溶いて回し入れてすばやく混ぜる。
7. とろみがついたら完成。
レシピのポイント
玉ねぎ、にんじん、じゃがいもそれぞれ違った切り方をすることで、さまざまな食感を味わうことができるレシピとなっています。にんじんはみじん切りでなはなく乱切りにしても構いませんが、1歳児が歯や歯茎ですりつぶして食べることができるようによく火を通すことが大切です。
肉じゃがは、多めに作って冷凍保存しておくのがおすすめです。保存期間は1週間を目安にしましょう。
■おすすめごはんレシピ③マカロニグラタン
材料 (1歳児の1食分)
・マカロニ 乾燥状態で10g
・ミックスベジタブル 大さじ1
・玉ねぎ 15g
・牛乳 100ml
・バター 小さじ1
・小麦粉 小さじ2
・溶けるスライスチーズ 1/2枚
・乾燥パセリ 少量
作り方
1. 玉ねぎをみじん切りにする。
2. 小鍋にマカロニ・ミックスベジタブル・玉ねぎ・牛乳を入れて、マカロニのゆで時間+1分くらいの時間、弱火〜中火で加熱する。
3. マカロニが軟らかくなったら火を止め、バターと小麦粉を入れてダマがなくなるまでよく混ぜる。
4. ダマがなくなったら、もう一度火をつけてとろみがつくまで混ぜる。
5. とろみがついたら火から下ろし、耐熱器に入れて上にスライスチーズをのせる。
6. オーブントースターで薄く焼き色がつくまで(約3分)加熱する。
7. オーブントースターから取り出し、パセリを振れば完成。
レシピのポイント
牛乳とスライスチーズを使った、タンパク質がしっかりと摂取できるレシピとなっています。タンパク質は体を構成する重要な栄養素であり、身体の発育が著しい1歳児は十分な量を摂取することが大切です。1日の食事でタンパク質の摂取が不足していると感じたら、こちらのレシピを活用してみましょう。
チーズは1歳から使用可能な食材で、塩分が含まれているためにほかの調味料を加えなくてもしっかりと味がついて美味しく食べることができます。
■おすすめごはんレシピ④栄養満点そうめん
材料 (1歳児の1食分)
・そうめん 1束
・豆腐 50g
・オクラ 1本
・にんじん 輪切り1個
・卵 1/3個
・だし汁 100ml
・醤油 小さじ1/4
作り方
1. そうめんは軟らかくなるまでゆで、よく洗って適当な長さに切る。
2. 豆腐は適当な大きさに切る。オクラはヘタをとり、5mmくらいに切る。にんじんは細かい角切りにする。
3. 鍋にだし汁・オクラ・にんじんを入れて火にかけ、オクラとにんじんが軟らかくなるまで加熱する。
4. 豆腐と醤油を加え、軽く弱火で煮たら溶いた卵を加える。卵が固まってきたらそうめんを加え、温まったら火を止める。
5. お皿に盛って完成。
レシピのポイント
ただゆでたそうめんよりも、オクラやにんじん、卵などの食材を加えたほうが彩りがよくなり、1歳児は食べる気が起こりやすくなります。さらに、多種類の食材を加えることにより栄養バランスのよいご飯となるため、1歳児に非常におすすめなレシピです。
短時間で簡単に作ることができるため、忙しいときにやごはん作りが面倒に感じるときに活用してみましょう。